勘違いしがちな野球のデータの使い方
はじめに
ID野球とは私が生まれる少し前、故野村克也氏がヤクルトスワローズの監督を務めているとき(1990~98)、に生また言葉です。ID野球の”ID”とは”Important date”の略称で、アメリカから持ち込まれたデータを駆使し、科学的に野球の作戦を立てるこの戦い方は経験や勘に頼ってプレーすることが当たり前であった当時の日本の野球に衝撃を与えました。
現代では高校野球をはじめアマチュアでも「データを取り、使う」という文化が浸透しています。そんな中、私は曲がりなりにも高校まで野球をやってきたものとして、「せっかく得たデータを効果的に使えていないのではないか」という方々を多く見てきました。今回の記事が「正直、スコアブックを渡されてもどこを見ればいいかわからない」という方の一助となれば幸いです。
誰も教えてくれなかったデータ活用法
傾向だけを見るな結果の根拠も探せ!
要するにどういうこと?
申し訳ございません。詳しく説明させていただきます。
例えばバッター髙田を抑えるため、過去の髙田の打席、10打席のデータを用意したとします。するとどうでしょう全打席でファーストストライクを見逃しているではありませんか。これを見る限り髙田はファーストストライクを見逃す傾向にあることがわかります。
しかし、この事実だけで試合に臨むのはもったいない。私がおすすめするのはその傾向にいたった根拠を探すことです。つまり、髙田が毎打席毎打席ファーストストライクを見逃す理由を推測するということです。例えば、その集めた髙田の打席の前を打つバッターがすべて初球にアプローチしていたのならば、髙田は単に淡白な攻撃が続かぬように配慮して打席に立っていただけかもしれません。ここまで深読みしなくとも、ただ単にメンタル的に初球に手を出すことに抵抗があるだけかもしれません。こうして数パターンにも及ぶ自分なりの根拠を見つけていくのです。
この考えを抑えておくと、データの質が高まるだけでなく、あらかじめ想定できる相手のプレーの幅が広がります。想定内のプレーが増えることは、自身のプレーにゆとりをもたらし自分本来の力が出せることにつながると私は考えています。
データを活用するとは相手に思いどおりのプレーをさせないことではなく、自分自身が思い通りプレーするための準備をするということなのです。
おわりに
今回は私なりのデータの見方をご紹介させていただきました。いかがでしょうか、野球脳の使い方がわかると野球を考えることがだんだん楽しくなってくると思います。私はその一助となりたい。ここまでお付き合いいただきありがとうございます、読みづらいところも多々あるかと思いますがそのつどアドバイスをくださると幸いです。